架空旅社通信(2025年11月号)

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🗞架空旅社通信 2025年11月号

 ― 光果灯と極夜の旅 ―

 📅発行日:2025年10月31日
 📍分類:月次【FTE】
 ✴️発行:架空旅社編集部(Fake Travel Expedition)

 旅人の皆さま、こんにちは。
 夜がゆっくりと長くなる季節、架空旅社はついに新たな星域へと出航します。
 10月末、異星調査部のメンバーが再調整されたポータルを通じて、ルミナリエ星域への正式な渡航を開始しました。
 ここ数ヶ月にわたる準備と観測を経て、ついに“光の星”が本格的な旅の舞台となります。

 今号では、星域の首都オーロラヘイムから届いた最初の報告を中心にお届けします。
 地上と異星、ふたつの空で灯る“光果灯”の記録。
 地球側ではオルタニア王国をはじめ、各国が冬支度の頃。
 街の屋根に薄い雪が積もり始め、香辛料の香りが風に乗ると、旅人たちはふと遠い星の夜を思い出します。
 空も風も、季節を越えて繋がっている――そんなことを感じる月です。

🌌11月の旅行先ランキング(架空の国・異星を旅してみたら)

 1位 ルミナリエ総合首都国(ルミナリエ星)
 ……極夜燈祭が開幕。星晶灯が空を渡り、氷海が光の道となる幻想的な夜。
 光果灯の数は年々増え、今年は過去最多の三千基が宙を漂う予定です。

 2位 アクシオン・リーフ(ルミナリエ星)
 ……珊瑚が冷光を放つ季節。潮風にまじる微かな発光粒子が旅人の衣に舞う。
 夜の浜辺では“光る足跡”と呼ばれる現象が見られ、踏みしめた砂が青く灯るのだとか。

 3位 オルタニア王国(エーテルガルド大陸)
 ……冬の入りを告げる「白の宵」。
 街の窓辺には小さな灯がともり、家族や旅人がパンを分け合います。
 旅社の編集部でも、この祭の情景を次号特集に向けて取材中。

Photo By AI.  この光が大気中へあがり、浮遊していきます。

🍬11月のおすすめおみやげ

 ・ルミナリエ総合首都国「光果ティー」
 ……光果の皮を乾かして煮出した琥珀色の茶。微光がカップの縁に残ります。

 ・アクシオン・リーフ「潮光キャンドル」
 ……海晶の粉末を混ぜた透明ろうそく。火を灯すと波の音のような微かな音を立てる。

 ・オルタニア王国「金のスープ缶」
 ……旅社スタッフに人気の定番ギフト。冷えた夜の執筆にもぴったりの味。

Photo By AI.  柔らかい光で、気分も変わります。(ちょっとした魔法作用も!)

🌠一度は行ってみたい星・国ランキング

 1位 ルミナリエ星・アストレア魔導王国
 ……古代都市と魔法が融合したような、懐かしくもなかなか見られない街並み。

 2位 ルミナリエ星・セレノア氷原
 ……星の氷に覆われた無人地帯。微光植物“ネヴァ・フラワー”が咲き、足跡をたどるように光る。

 3位 ルクス共和国(クシャラ大陸)
 ……夜灯市が開催。図書館前で朗読される「光の詩」が人気を集めています。

Photo By AI.  足跡に沿って咲く花が、まるで道しるべのよう。

 🍰大人気おみやげ特集:光を食べるスイーツ vol.2

 今月の特集は「食べる光」。
 ルミナリエ星域では、旅人の間で“星晶菓子”が再び注目されています。
 透明なゼリーの中で粒光がゆらめく「星晶ゼリー」、光の果を泡状にした「ルーメン・ムース」。
 どちらも味は淡く、口に含むと光が舌の上で消えていくような感覚が残るそうです。

 一方、地球側のオルタニア王国でもそれを模した「光砂プリン」が人気。
 焼き菓子工房では、旅社から持ち帰られた微量の星晶粉を混ぜ、“空の香りを味わう”菓子として発表されました。
 甘さの奥にわずかな潮の香り――星々と地上の合作スイーツです。
 ただし、珍しいのでなかなか食べられない品です。

Photo By AI.  地球側のプリンが、光るとは思いませんでした。

💬調査員/旅行者に聞いてみました!

「あなたが見たい“夜の光”はどこにありますか?」

 ・「ルミナリエ総合首都国の、端の海に映る極光。空と海が溶け合う夜」
 ・「アクシオン・リーフの浜辺。珊瑚の灯りが波に揺れるのを一晩中見ていたい」
 ・「オルタニアの窓辺の灯。静かな家庭の明かりが、何より温かく感じます」

✴編集後記

 今月の旅は、まるで“灯りを拾う旅”でした。
 ルミナリエの極夜では、闇が深いほど光は澄み、オルタニアの街では、灯が人の手に宿ります。
 遠い星の明かりも、身近な窓の灯も、見つめる心さえあれば、どちらも同じ“希望の色”をしているのかもしれません。

 次号では、調査員ルカによる極夜航路の実録「星の風に触れる日」を特集。
 冬の宙域報告と、地球側では冬至市の準備をお届けします。
 どうぞあたたかな飲み物とともに、次のページをお待ちください。

 — 架空旅社編集部(2025年10月発行)

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