🌐 架空旅社からのお知らせ
From Fake Travel Expedition / De la Fikcia Vojaĝ-Agentejo
発行:架空旅社 編集局(地球編集部・異星調査部合同)
こんにちは、架空旅社です。
いつも旅社の記録を読んでくださり、心よりありがとうございます。
星と空のあいだを旅しながら、調査員や編集者たちは「どうすれば、もっと遠くの誰かにもこの物語が届くのだろう」と考えてきました。
そしてこのたび、ひとつの小さな答えが見つかりました。
それが今回ご紹介する――逆偏光グラスです。
🪞 逆偏光グラスの完成について
Completion of the Reverse Polarized Glass / Fino de la Inversa Polusa Okulvitro
これまで旅社の調査員たちは、「偏光グラス(Polarized Glass)」を通して、ミナリエ星の光環や都市構造を観測してきました。
この特製のグラスは、地球の視覚に近い波長へと変換してくれる装置で、星の景色を、私たちの目にも見える形にしてくれるものです。
しかし、ルミナリエの人々――あの星の“光を纏う住人たち”には、に地球の言葉がほとんど読めませんでした。
私たちの文字や発音は、彼らにとっては微細なノイズのように見えるのです。
そんな彼らの声を受けて、このたびルミナリエ研究局の協力のもと、逆偏光グラス(Reverse Polarized Glass)」が開発されました。
“The Reverse Polarized Glass converts Earth languages into visible waves for Luminarians.”
“La Inversa Polusa Okulvitro konvertas la Terajn lingvojn en videblajn ondojn por la Luminianoj.”
このグラスを通すことで、彼らもまた、地球の旅の記録――つまり、架空旅社の記事を「光の屈折」として読むことができるようになったのです。
💫 翻訳併記について
About the Parallel Translations / Pri la Paralele Tradukoj
この新技術の導入にあわせて、今後《架空の異星を旅してみたら》の各記事には、短い英語とエスペラント語の翻訳を併記いたします。
また《架空の国を旅してみたら》の記事でも、同様に併記いたします。
これは、ルミナリエ星の住民が「逆偏光グラス」を通して読んだ際に、最も認識しやすい光のパターン――つまり“共通波長”に相当する言語が、英語とエスペラント語であるためです。
さらに、今回のグラスでは、地球の日本語から英語、そしてエスペラント語を経由して、最終的にルミナリエ語へと翻訳される仕組みを採用しています。
しかし、翻訳の段階を重ねるごとに、どうしても意味のノイズや光の歪みが発生します。
そのため旅社では、あえて英語とエスペラント語の文を記事内に残し、少しでも正確で、より“伝わりやすい光”として読んでいただけるようにしています。
“Through this, the people of Luminaria can read fragments of Earth’s travel journals.”
“Per tio, la loĝantoj de Luminario povas legi fragmentojn de la Teraj vojaĝtaglibroj.”
日本語本文が主軸であることに変わりはありませんが、英語・エスペラント語は、まるで光の層が重なるように、読者の視界にゆるやかに浮かび上がります。
それは翻訳というよりも「光を介した理解」と呼ぶほうが近いのかもしれません。
また、内容によっては、載せない場合もございます、ご了承ください(箇条書き羅列・店舗情報等短いもの)
※月次通信や架空旅社からのお知らせ、調査員 / 編集者ノートに関しましては、現状未定となっております。
こちらも併記する場合は、またお知らせいたします。
変更グラスについては、こちらの記事をご確認ください。
🌍 星と地球をつなぐ架け橋
A Bridge Between Stars and Earth / Ponto inter la Steloj kaj la Tero
この仕組みは、ほんの小さな試みです。
けれど、ルミナリエの誰かが、地球の空気や海の香りを思い浮かべるようになり、地球の誰かが、あの星のオーロラや風の流れを感じ取る――そんな瞬間を生むことができたなら、それはきっと大きな一歩です。
旅社はこれからも、「見えない世界を見える形にする」活動を続けていきます。
それは科学でもあり、芸術でもあり、そして何より“物語”の一部なのです。
“Even if our skies are different, the light that guides us is the same.”
“Eĉ se niaj ĉieloj malsamas, la lumo, kiu gvidas nin, estas la sama.”
🪶 調査員のひとこと
Field Note / Kampa Noto
「ルミナリエの住人が、初めて地球の物語を“光の本”として読んだ夜。彼らは涙のような光を零し、こう言ったそうです。『これがあなたたちの“文字”なのですね』」
— 異星部門 調査主任 ヨキ・アンダーソン
“When they saw our words as light for the first time, they smiled.”
“Kiam ili unuafoje vidis niajn vortojn kiel lumon, ili ridetis.”
✴️ おわりに
このお知らせは、ルミナリエ星域および地球の両読者へ向けた初の共同発信です。
旅社の記事を通じて、どんな場所にいても、誰かの旅の息づかいを感じ取っていただけたら幸いです。
今日もまた、新しい空の下で――あなたの知らない風景が、静かに光を灯しています。
架空旅社 編集局
Fake Travel Expedition – Interstellar Division
Fikcia Vojaĝ-Agentejo – Interstela Sekcio
「あなたが読むこの光は、誰かの言葉のかけら」
“The light you read is someone’s word in another world.”
“La lumo, kiun vi legas, estas ies vorto en alia mondo.”

